自作オーディオの記事 (1/6)

エレキット真空管アンプ TU-8150 製作レポート

先日、エレキットさんの 6AQ5シングル真空管アンプキット [ TU-8150 ]レビュアー募集キャンペーン に応募したところ、なんと当選してしまいました。募集人数が5名と少なく抽選で外れるだろうけどダメ元で…思っていたのでびっくりでした。
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6AQ5シングル真空管アンプキット [ TU-8150 ]レビュアー募集キャンペーンhttps://www.elekit.co.jp/topics/4526

今回は製作レポート。内容物はこんな感じです。
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必要なものは工具以外全て揃っていますので、安心して組み立てることができます。真空管アンプトラの巻という興味深い冊子もありますね。
実は高圧を扱う据え置きアンプの製作も電源トランスを使うことも初めてです。バッテリー駆動のポータブルアンプとは決定的に違う点で、今回非常に良い勉強になりました。
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オフホワイトに塗装されたケースがとても美しい。。


製作中に気づいたのですが、このアンプとても作りやすいです。
組み立てる人の立場に立ってキットを開発されてる…といいましょうか。
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例えば、全ての部品を基板上に実装できるところ。インレットやスピーカーターミナルも基板実装なのは驚きました。空中配線するのは電源トランスのみで、しかもコネクタを繋ぐのみでハンダ作業は不要です。ケーシング中に配線がごちゃごちゃになって接触不良を起こす事もなく、組み上がってからのメンテナンス性も非常に優れていると思います。

パッケージングについても抵抗やコンデンサはシンプルに小分けで袋詰めされており、部品番号や定数の記載はありません。しかし1つの袋に入っている抵抗は2種類までなので、その後の分類作業が大変しやすかったです。
キットを販売する側の立場ですと、部品を梱包したり数値表記を入れるのって地味に工数がかかるので、このようなところで工夫して、コストを抑えているのではと思いました。

一番感心したのはココ。よく見るとピンソケットの差し込み穴が一直線上でなく微妙にずれています。
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基板をひっくり返してもソケットが落下しないので、仮止め不要で楽に半田付けができます。こういう細かいところでストレスがたまらないのは作っていて気持ちがいいですね。
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付属パーツから色々変更を加えました。

音声信号が通過する経路には、Bispaさんの金皮抵抗LGMFSを使用しました。付属のカーボン抵抗でもよかったんですが、後で交換しちゃいしそうだったので初めから使いました。
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電圧増幅段後のカップリング0.1μFは手持ちのMKT1813 ERO(緑)、帰還抵抗とパラの位相補償コンデンサ0.01μFは昔入手したスチコンが余っていたので使用しました。Phonoka+製作時の残りが有効活用できてよかったです。
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オペアンプについては電源電圧±.5.6Vで駆動できる手持ちの2回路品から試聴比較して、OPA1652を選びました。ですがオペアンプの用途は電圧増幅段(12AX7)の前に補助的にゲインを稼いでいるにすぎず、せっかくの真空管アンプが勿体無いので、取り除くのもアリかなと思っています。

ボリュームは手持ちにVISHAYのP9Aがあったのですが、シャフトにギザギザが切ってあるものしか使えないノブだったので、今回は見送りました。

そんなこんなで、アンプが完成。久しぶりの作業でしたのでお盆休み2日間かけてゆっくり仕上げました。
ひたすらに楽しかったです。
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次回は試聴レポートの予定です。

Phonoka+製作マニュアルのリンク修正

こんばんは。しろくまです。

今年の3月頃からPhonoka+の製作マニュアル類のダウンロードができなかったようです。
(※dropboxの仕様変更によりリンク先のURLが無効となっていました。)

ご指摘いただくまで気付かず申し訳ありませんでした。
リンク先を修正しましたので、以下からアクセスしてご利用ください。
今後もどうぞ宜しくお願いします。
http://4690audio.blog.fc2.com/blog-entry-23.html

久しぶりなので宣伝も兼ねて。。
Phonoka+基板の販売はこちら
Phonoka+窓付き加工済みケースの販売はこちら

Phonoka+基板再頒布のお知らせ

とある8月3日の出来事。

というわけで、Phonoka+の基板の再販が決まりました。
再販のリクエストをたくさん頂き、本当にありがとうございます。
全てを販売することは現時点では厳しいのでSoundPotionさんと調整した上で、部品無しの裸基板で頒布することになりました。

部品調達、実装、ケース加工などは全てご自身で行ってもらいます。製作のハードルはぐっと上がってしまいます。それでも欲しいという方は一度検討してみてください。そしてこれも申し訳ありませんがノーサポートです。マニュアルをよく読んで頑張って製作してください。

それともう一つ。基板は定期的に生産する予定です。最初のうちは購入しにくいかもしれませんが、どうか慌てずゆっくりお待ちください。

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基板は一部マイナーチェンジを加えています。
・銅箔厚を以前の2倍の2oz(70um)に変更
・ENIGの金メッキフィニッシュ

近日中にSoundPotionのWebショップにて販売開始です。
http://soundpotion.cart.fc2.com



製作に必要な情報をまとめました。

◆マニュアル
http://4690audio.blog.fc2.com/blog-entry-23.html

◆パーツリスト:
マニュアルの6ページをご確認ください。

◆表面実装部品のDigikey購入方法


以上よろしくお願いします。

連載企画 Bispaユニバーサル基板でアンプ製作 その2

こんにちは。しろくまです。

最後のPhonoka+製作講習会が無事終了しました。参加頂いた皆さん、打ち上げで私のワガママ(特撮ソングナイト)に付き合ってくれた皆さん、本当にありがとうございました!夏の終わりのような寂しい気持ちを感じながらも次のステップに進んでいけたらと思っております。


さて、前回に引き続いてBispaさんのユニバーサル基板とケースを使ったアンプ製作を行います。

1回目の記事はこちら


まず、インターフェイスの部品を仮組みしてみるとこんな感じになります。
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これだけの部品が載ってると、なんだか完成した気分になってしまいますが、これからが本番です。


次は他の部品(抵抗、コンデンサ、オペアンプなど)をどのように配置するか検討してみましょう。150816_1

以下のポイントに注意しながらレイアウトを考えます。

・電源部はできるだけ太く短いパターンで配線したいので、電池BOXの配線を取り付けるスルーホール(基板の左上)やスイッチに近い位置に配置する。

・アンプ部は、音声信号の通り道 [INジャック→ボリューム→入力カップリングコンデンサ→オペアンプと抵抗→OUTジャック]を思い浮かべながら、出来るだけ短い経路となるように配置する。





おおよその配置がきまったら、部品を仮置きしてみます。
実際に部品を載せてみると構想段階のレイアウトが実現できない場合もよくあります。Bispaさんで取り扱いのある470μF以上で最も小さい径(直径6.3mm)のコンデンサとして【SEPC6.3V560uF】を選びましたが、径が小さいと使用できる品種が限られてしまうので、直径8mmのコンデンサでも収まるような部品配置にしてみます。手元にある部品を差し込んであれこれ試してみた結果です。

Φ6.3のコンデンサを載せる場合
150812_3

Φ8のコンデンサを載せる場合
150812_2


これらを踏まえて、主要部品を配置した図が以下になります。
150812_5

それでは図を印刷して、手書きで回路パターンを引いてみましょう。(※1)
ただし以下のルールをつけ加えたいと思います。

ルール
①部品は全て基板表面に配置し、パターンは基板裏面のみを通る。
②パターンには皮膜なしリード線(抵抗やコンデンサの足)を使用し、交差してはいけない。
③コンデンサC3からオペアンプに供給する正負電源のみ、皮膜つきリード線でジャンパする。


正解はありませんので、自分なりの回路パターンを色々考えてみてください。

(※1) 基板の既存パターンは以下の写真を参考にして、図に書き込んでください。
基板表面 基板裏面


次回の記事でパターン例と製作例をご紹介したいと思います。

ではでは。

連載企画 Bispaユニバーサル基板でアンプ製作 その1

こんにちは。もう冬が待ち遠しいしろくまです。

ポタ研も無事に終了して、次は8/8にPhonoka+の製作講習会が待っています。参加される皆様はどうぞよろしくお願いします。BlackBullの製作講習会やその他イベントは主催のtry_labさんのブログをチェックしてみてください。(投げっぱなし状態ですみません(-_-;)

さて前回お知らせしたように、今回から数回にわたって、Bispaさんのユニバーサル基板とケースを使ったアンプ製作をやってみたいと思います。
150627

市販のキットはすでにパターンが引かれた基板に部品を実装していくのが主な作業ですが
今回の企画では回路図を見ながら自分で基板のパターンを引くことを体験してもらえればと思っています。CADを使ったりするわけではなく手書きでのパターン作成ですので、興味があればどなたでも体験してもらえます。

使用するのはこちら。
HPA-UV01-PCB(82mm×50mm/2.54mmピッチ両面ユニバーサル基板-I/Oパターン付)
https://bispa.co.jp/1596
150720_HPA-UV01-PCB

CASE-HPA01セット(シルバー)
https://bispa.co.jp/966
150720_CASE-HPA01

基板には単4電池BOXを取り付けるスペースやI/O周り(ジャック、スイッチ、LED)のパターンが既に用意されているので製作が非常にラクです。ケースには穴あけ加工が施されており、蓋は付属のイモネジで締めるだけなので電池へのアクセスが容易な形になっています。アンプ製作時に面倒になる基板とケースのインターフェイス加工を今回は端折ってしまいます。


150720_基板表
左側から順に電池BOXのリード線接続端子、スイッチ、OUTジャック、LED、INジャック、ボリューム(FG端子付)とコンパクトに収納されています。LED用の電流制限抵抗も垂直に配置できるのがミソですね。それ以外の部品を実装できるスペースは縦6ピッチ、横19ピッチ分となります(ピンク色で囲まれた箇所)。

150628_04
OUTジャックのGNDはINジャックのGNDと接続されていないため、INとOUTでGNDの基準が異なる場合にも対応できます。


さてここにオペアンプ1発のシンプルな非反転増幅回路を組んでみます。いわゆるChu-moyアンプです。回路図はBispaさんから提供頂いたものに一部加筆しています。使用する部品の役割は回路図内に記載しています。
150720_chumoy

150720_部品表

それでは以下の図を印刷して、手書きでパターンを引いてみましょう!
150720_s-HPA-univ

…といっても、実物が何もない状態で部品のレイアウトやパターンを考えるのは難しいと思うので、次回は実際に部品を配置しながらレイアウトを具体的に考えてみたいと思います。パターン作成はそのあとで。


次回につづく。